結論:計算前に分母・分子・期間を決める

スカウト1通の単価は、媒体費のみで見るか、候補者選定・文面・送信の人件費と代行費を含むかで大きく変わります。契約上の保有通数ではなく、実際の送信数を分母にして比較します。

媒体費のみの1通単価=媒体費÷実送信通数。総コストの1通単価=(媒体費+社内の運用人件費+代行費+配賦したツール費)÷実送信通数。

集計範囲が違う数値を比べても、採用活動の改善にはつながりません。費用と成果件数は同じ媒体・求人・期間で揃え、実績値と説明用の仮定値を明確に区別します。分母が0件の場合は費用がゼロになったと解釈せず、単価を「算出不可」として件数を併記してください。

分子に入れる費用の考え方

媒体契約費、追加送信枠、社内の検索・プロフィール確認・文面作成・送付作業、外部委託料を必要に応じて合算します。年額契約なら対象期間へ按分し、ATSなど他部門も使うツールは採用運用に相当する部分を分けます。費用を追加するときは、なぜその費目を含めたか記録してください。

面接官が面談に使った人件費は、送信1通を作る費用というより採用プロセス全体の費用です。送信単価へ含めるなら、狭い意味の送信単価とは区別します。担当者と委託会社で同じ作業時間を二重に計上しないことも重要です。

分母は契約枠ではなく実送信

契約上の送信可能枠が1,000通でも、実際に送れたのが600通なら分母は600です。送信予約だけして未実行のものやエラーで送れていないものを足さないでください。配信後の追加連絡・再送を1通として数える場合は、初回送付と区別した記録を残します。

「何人に届けたか」を見たいときは重複を除いた候補者数も併記します。送信件数とユニークな候補者人数は異なるため、通数を増やしても採用対象者が広がっているとは限りません。

固定費と送信数の関係

仮に総費用が30万円のままなら、300通で1,000円、600通で500円、1,200通で250円です。これは固定費を通数で割った算数上の変化にすぎません。実際には送信増によって選定工数や追加通数費も増えます。

単価だけ下げようとして対象外の候補者へ送ると返信・面談の効率が悪化します。通数当たりの費用が下がったときは、同じ期間の前向き返信数や面談実施数も確認してください。

求人別配賦の実務

1契約で複数求人に送付する場合、媒体費を求人別に配分する基準が必要です。送付通数比、求人ごとの利用期間、契約上の専用枠など、説明できるルールを選んで固定します。各求人へ配賦した合計が媒体契約総額と一致することを検算します。

社内人件費は求人別の作業時間を記録すると精度が上がります。データが十分でない場合は推定配賦と明記し、実績値として断定しないようにします。

数字を使った計算例

以下の金額・件数は計算方法を示す架空のケースです。市場平均や媒体の実際の料金、導入企業の実績ではありません。

項目仮の数値意味・計算
媒体利用料100,000円対象月に配賦した金額
社内人件費80,000円検索・選定・文面作成の工数
運用代行費120,000円委託した運用業務の費用
総コスト300,000円上記の合計
実際の送信600通送信完了件数
媒体費ベース約167円/通100,000÷600
総コストベース500円/通300,000÷600

媒体費だけなら約167円/通でも、社内工数と代行費を加えると500円/通です。媒体を乗り換えた場合や運用を内製化した場合も、費目を揃えて再計算してください。

数字が悪化したときの確認ポイント

単価が高いという結果だけでは、契約費、採用要件、候補者との接点、返信・日程調整のどこに原因があるか分かりません。症状と改善箇所を次のように分けて確認します。

現象考えられる背景次に確認すること
通数が不足検索条件を絞りすぎた/職種が希少WANT条件を外して候補の適合を確認
選定に時間がかかる必須条件と人物像が曖昧求人要件と確認項目を整理
送付増なのに面談が増えない対象候補の適合や訴求が弱い送付対象率・前向き返信・面談を検証
媒体別で単価が違いすぎる契約費の配賦方法が不統一利用期間・通数・求人配賦を統一

運用変更を行う場合は、求人・ターゲット層を固定し、何を変えたかを記録します。検索条件・スカウト文面・対応体制を同時に大きく変えると、数値変化の理由を説明しにくくなります。

評価を誤らないためのチェックリスト

  1. 媒体費ベースと総コストベースを分けて記載する。
  2. 月額・年額の費用を同じ評価期間へ揃える。
  3. 未送信・再送・重複候補の取り扱いを定義する。
  4. 数件の差だけで改善施策の効果を断定しない。
  5. 職種別の送付数、返信、面談、採用数を確認する。
  6. 担当者の工数や委託範囲の変化を記録する。

関連指標は返信1件あたりのコスト、面談1件あたりのコストも確認できます。契約費の安さだけでなく、最終的に必要な人材との接点が作れているかを判断してください。

AIスカウトくんで計算する場合

AIスカウトくんでは、候補者検索・選定、文面作成、送信、返信対応などを支援します。月額5万円から始められるプランと通数課金プランがあり、媒体契約・利用料金は別途必要です。プランと媒体規約・権限条件によって支援範囲が異なるため、料金を比較するときは含まれる業務を揃えてください。

社内で担当する作業の時間も含めてコストを比較し、単価だけでなく前向き返信や面談の改善と結び付けることが重要です。

よくある質問

1通コストはどう計算しますか?

対象期間の費用を同期間の実送信通数で割ります。媒体費のみと総コストベースを区別します。

送信可能枠の通数を分母にできますか?

運用実績の単価なら実送信数を使います。保有枠の消化率は別指標とします。

再送したときは1通と数えますか?

送信作業の件数を測るなら含めます。初回・再送を区別し、候補者数は重複排除して別に測ります。

求人別に媒体費を分ける方法は?

利用期間や送信通数など説明できる配賦基準を決め、合計が契約総額と一致することを確認します。

通数単価を下げれば成果につながりますか?

適合度や面談数が悪化すれば改善とはいえません。返信・面談・採用も確認します。

まとめ

スカウト1通の単価は、媒体費のみで見るか、候補者選定・文面・送信の人件費と代行費を含むかで大きく変わります。契約上の保有通数ではなく、実際の送信数を分母にして比較します。 計測ルールを揃え、採用につながる工程まで判断できる形で管理しましょう。

試算は説明のための架空値です。情報確認日:2026年11月4日。サービス料金・媒体仕様は変わる場合があります。