ステップ1|採用目標を決める
対象求人、採用人数、採用期限、優先順位を整理します。
複数求人がある場合、すべてを同じ優先度で始めると候補者検索・送付が分散します。採用難易度や事業優先度を見て、最初に運用する求人を決めます。
また、採用決定だけではなく、月間送付数、返信、面談など途中のKPIも持つと、立ち上げ後にどこで止まっているか確認しやすくなります。
ステップ2|採用ターゲットを定義する
求人票の条件を、MUST・WANT・NGへ分けます。
MUSTは採用に必要な条件、WANTは加点条件、NGは採用できない条件です。
さらに、検索条件で使える項目と、候補者プロフィールを見ないと判断できない項目を分けます。
「業界経験3年以上」「マネジメント経験」「特定製品経験」などをすべて必須検索にすると、候補者を狭めすぎる可能性があります。
検索で使う条件と、選定時に見る条件を分けることが重要です。
ステップ3|媒体・チャネルを選ぶ
媒体は、登録者数や知名度だけで選びません。
確認するのは、採用ターゲットがいるか、検索項目は十分か、スカウト機能は求人に合うか、料金・契約期間は採用計画に合うか、運用体制を作れるかです。
総合型、ハイクラス、ITエンジニア特化、新卒、SNS型など、媒体ごとに候補者層と使い方が異なります。
複数媒体を導入する場合は、一度に増やしすぎず、求人ごとに役割を決めます。
また、第三者委託、アカウント、媒体内AI、外部AI・RPAの条件も媒体ごとに異なるため、外部支援を使う場合は契約前に確認します。
ステップ4|検索条件と候補者選定基準を作る
媒体が決まったら、求人要件を検索条件へ変換します。
職種、業種、経験年数、勤務地、年収、キーワードなどを組み合わせます。
検索結果が少なすぎる場合は、MUSTを残しながらWANT条件から緩和します。
検索結果が多すぎる場合は、求人との関連性が高い経験・役割・キーワードを追加します。
候補者選定では、「何が書かれていればMUSTを満たすのか」「情報不足なら要確認にするのか」を文章化します。
検索条件は候補者を見つける入口であり、採用判定そのものではありません。
ステップ5|スカウト文面を設計する
スカウト文面では、会社・求人の説明に加え、候補者へ連絡した理由を示します。
個別化する場合は、候補者プロフィールに明記された事実と求人の役割をつなぎます。
候補者情報にない志向・価値観を推測しないことも重要です。
候補者情報が少ない場合は無理に個別文を作らず、仕事内容、事業、キャリア、働き方など求人側の訴求を中心にします。
ステップ6|送信・返信の役割分担を決める
誰が候補者を確認し、誰が送信し、返信後は誰が対応するかを決めます。
採用担当者、現場責任者、外部のスカウト代行、RPOなど複数人が関わる場合は、工程ごとに責任者を明確にします。
特に外部委託では、媒体の第三者利用・追加ユーザー・アカウント条件を確認します。
候補者から求人条件や選考について質問が来た場合のエスカレーション先も決めます。
ステップ7|KPIを定義する
立ち上げ時に、何を改善するか判断できる指標を決めます。
主なKPIは、検索結果数、候補者対象率、送付数、返信・承認、面談、応募、選考、採用です。
媒体によって用語・取得できる数字は異なるため、分母・分子を明確にします。
また、万能な平均返信率を目標にするのではなく、求人・媒体ごとに自社の初期値を取り、そこから改善します。
ステップ8|初回運用から改善する
最初の検索条件や文面を完成形と考えません。
運用開始後に、候補者数、企業側の対象率、送付、返信、面談を確認します。
送付数が足りなければ検索条件・母集団・運用工数を見直します。
対象率が低ければ検索条件・選定基準を見直します。
返信が低ければ候補者層、求人訴求、文面を分けて確認します。
改善するときは、複数項目を一度に変えすぎず、何を変更したかをログに残します。
立ち上げ時に必要な運用ドキュメント
求人要件シート
採用背景、役割、MUST、WANT、NG、条件緩和、求人訴求をまとめます。
媒体別検索条件
媒体ごとの職種、業種、経験、勤務地、年収、キーワードなどを残します。
候補者選定基準
MUSTの判定根拠、要確認候補、NG判定の考え方を文章化します。
文面テンプレート・個別化ルール
共通文面、職種別訴求、候補者情報量が少ない場合の対応を整理します。
KPIシート
求人別・媒体別に送付、返信、面談、選考、採用を追います。
改善ログ
検索条件、文面、求人条件などを変更した日付・理由・結果を残します。
最初から複数媒体を使うべき?
必ずしも複数媒体から始める必要はありません。
立ち上げ初期は、どの候補者層に、どの条件・訴求が有効かを学習する期間でもあります。
運用体制が小さい場合、媒体を増やすほど検索・文面・KPI管理が分散します。
まず主要媒体で運用を安定させ、母集団不足やターゲットの違いが明確になった段階で追加する方法があります。
一方、求人ごとに候補者層が大きく異なる場合は、最初から複数媒体を使い分けることもあります。
内製か外注かを立ち上げ時に決める
内製する場合は、検索・選定・文面・送信・返信・KPI改善を誰が担当するか決めます。
外部支援を使う場合は、どこまで任せるか、媒体ごとの操作方法、情報管理、企業側の承認工程を決めます。
立ち上げ後に「担当者がいない」「送信する時間がない」とならないよう、媒体契約前に運用体制まで作ります。
立ち上げでよくある失敗
媒体契約を先にする
採用ターゲットと運用工数が決まっていないまま契約し、使い切れないケースです。
検索条件を厳しくしすぎる
理想条件をすべて必須にし、候補者がほとんど出ないケースです。
送付数だけを目標にする
対象率や返信・面談を見ず、大量送信が目的になるケースです。
文面だけを作り込んで開始が遅れる
最低限の品質を確保したら、小さく運用し、実際の反応を見て改善する方が学習しやすい場合があります。
返信後のフローを決めていない
スカウトへ返信が来ても、誰が対応するか決まっておらず候補者対応が遅れるケースです。
立ち上げ時に候補になる媒体を比較する
立ち上げ時は、媒体の知名度ではなく、最初に運用する求人の候補者層と、社内で回せる検索・選定・返信の範囲を基準にします。代表的な採用区分ごとに媒体の役割を置くと、最初の比較対象を整理しやすくなります。
ビズリーチ
中途の経験者、専門人材、管理職・リーダー候補を、職種・業界・経験と職務経歴から探す媒体です。経験や責任範囲を採用要件にしやすい求人から立ち上げたい場合に、検索・選定・文面の基本設計を作る候補になります。採用要件や担当者が決まっていないまま契約すると、候補者確認や送信が止まりやすいため注意します。
Green
IT・Web・クリエイティブ職だけでなく、営業、マーケティング、管理部門などの求人でも、事業・プロダクト・組織を直接伝える接点を作る媒体です。成長企業やデジタル職など、求人票だけでは伝わりにくい仕事の背景を説明したい求人で候補になります。店舗や専門職など、Greenの掲載領域だけでは求人の候補者像を表しにくい場合は、別媒体との役割分担を考えます。
Offers
エンジニア、PdM、AI・データ人材など、職務の専門性が高い求人で候補者との接点を作る媒体です。技術要件だけでなく、担当領域、成果物、チーム規模、意思決定範囲まで求人側で整理できる場合に、立ち上げ対象として検討できます。非技術職や職種横断の大量採用を最初の対象にする場合は、媒体の候補者層とのずれに注意が必要です。
dodaキャンパス
学生プロフィールを起点に、企業から新卒候補者へ直接接点を作る媒体です。専攻、経験、活動、志向など、会いたい学生像を定義し、会社理解や職種理解を早い段階から伝えたい新卒求人で候補になります。中途採用の経験者を探す立ち上げには対象区分が合わないため、求人の採用時期と区分を先に分けます。
OfferBox
学生プロフィールを確認し、企業からオファーを送り、承認後のメッセージや面談へつなぐ新卒向けの媒体です。職種、配属、働き方、育成環境など、オファー後に説明できる情報が整理された求人で運用の流れを作りやすくなります。採用要件や承認後の対応担当が曖昧なまま始めると、候補者選定とその後の対話が止まりやすいため注意します。
AIスカウトくんによる立ち上げ支援
AIスカウトくんは、TechSuite株式会社が提供する、生成AIと採用のプロを組み合わせたスカウト代行サービスです。
候補者選定、スカウト文の作成、返信対応、運用改善までを支援します。
AIスカウトくんの公式案内では、ヒアリング、契約、運用媒体への招待、キックオフ、運用開始という流れが示されています。
実際の開始時期・運用方法は、求人・媒体・アカウント条件によって異なります。
よくある質問
ダイレクトリクルーティングは何から始めればよいですか?
媒体選定より先に、対象求人、採用人数、MUST・WANT・NG、運用担当を整理します。その上でターゲットがいる媒体を選びます。
最初から複数媒体を契約した方がよいですか?
必ずではありません。社内運用体制が小さい場合は、主要媒体から始めて学習する方法があります。求人ごとに候補者層が異なる場合は複数媒体を使い分けます。
返信率の目標は何%がよいですか?
求人・媒体・職種で異なるため万能な目標値はありません。まず自社の初期値を計測し、候補者選定・求人訴求・文面の改善前後を比較します。
運用開始前に文面を完璧にする必要がありますか?
誤情報・不適切表現・媒体ルールは開始前に確認します。一方、訴求の最適解は実際の反応を見ないと分からないため、改善できる状態で始めることが重要です。
AIスカウトくんに関するよくある質問
スカウト代行とRPOの違いは?
違いは支援範囲です。AIスカウトくんはスカウト運用を中心に支援し、TechSuiteでは採用活動全体を支援するRPOサービスの「AI RPOパートナー」も提供しています。
候補者検索から送信まで、すべて任せられる?
はい。AIスカウトくんでは、候補者検索・選定からスカウト文の作成、送信まで対応できます。ただし、プランによっては検索条件の作成や定期的な振り返り・改善支援を含まない場合があります。
スカウト媒体の利用料金は代行費に含まれる?
いいえ。AIスカウトくんの代行費とは別に、利用するスカウト媒体の契約・利用料金が必要です。
新卒採用と中途採用の両方で使える?
はい。AIスカウトくんは新卒採用・中途採用の両方に対応しています。人材紹介会社の候補者スカウト運用にも対応できます。ただし、媒体の利用規約により第三者による代行が認められていない媒体では対応できません。
どのスカウト媒体でも代行できる?
はい。ビズリーチやOpenWorkリクルーティングなど、基本的に各種スカウト媒体で代行できます。ただし、媒体の利用規約により第三者による代行が認められていない媒体では対応できません。利用予定の媒体について、事前に対応可否を確認します。
まとめ|媒体を契約する前に、運用の設計図を作る
ダイレクトリクルーティングの立ち上げでは、採用目標、ターゲット、媒体、検索条件、選定基準、文面、役割分担、KPIをセットで設計します。
媒体契約だけを先に進めると、検索条件が作れない、送付担当がいない、返信後の対応が止まるといった問題が起きやすくなります。
最初から完成形を目指すのではなく、最低限の正本と運用ルールを作り、初回運用の結果から改善することが重要です。
